大工あるあるの一つに「雨の日はお休みですか?」と聞かれるというものがあります。大工は雨降りに休むと思っていらっしゃる方の多いこと。
20年以上大工やってるけど、雨で休んだことなんて三回あるかないかだよ。大雪で休んだことはあるけど、雨で休むことはほとんどありません。そこんとこヨロシク。
戸建ての新築の場合やサッシの交換工事などの外から家をいじる工事の場合、確かに雨が降ると仕事しづらいので、休みたくもなります。だけど、大概の現場は雨に濡れない場所の作業もあったりするので、休まず叩くもんなんですよ。
マンションの改修やリノベ工事の場合はもう無敵。雨だろうが雪だろうが、行き帰りの交通事情が許すなら休まず叩く。仕事の進捗が天候に左右されることはありません。
ところがだ。そんなマンション仕事をしているとね、工事が始まる初日と最終日には大工道具の搬入搬出をしないといけないんです。
ここをピンポイントで狙って降ってくるんだ。雨のヤローめは。
クロネコヤマトの配達員が使ってるモノと同じくらいの大きさの台車で往復三回。車とマンションの部屋を行ったり来たりするわけです。
そこをジャストインタイムで狙って降ってくるんだ。雨のヤローめは。
偶然に決まってるのですが、ものすごい頻度。あれはなんでなんだろ、と真剣に考える。
イギリスのロックバンド(こう書くと大味で安っぽい)トラヴィスの人気曲に「雨唄」とファンの間で呼ばれている曲があります。
”Why does it always rain on me?”「なんでいっつも雨が降るんだ?」
”Is it because I lied when I was seventeen?”「17歳の時に僕が嘘をついたからか?」
この通り、ややイタイ、甘ったれボーイの唄なのですが、これだよ。もうこれと同じ心境を日本の41歳の大工も感じてるよ!
雨に降られながら台車を押して、道具を運ぶ。それだけでも結構つらいのに、歩道の段差に引っかかってアスファルトに道具をぶちまけるのは、僕が嘘つきまくって生きてきたからなのか?
仕事中に雨に降られると、それだけで卑屈な気持ちになるよね。は~やだやだ。