「大工」ってさ
石を加工して様々なものを作る技術を持つ「石工」、土を加工して様々なものを作る技術を持つ「土工」、木を加工して様々なものを作る技術を持つ「大工」。
これはなぜだって話です。
木を加工して云々ならば「木工」の方が座りがいいのに「大工」となるのはなぜか。大を加工してってなると、ちょちょちょ・・・ストップストーップ!
だけど、この「大工」の「大」の字はなんなのよって気になる気になる、気になる木。
調べてみると、この「大」の字には、設計や現場管理、職人手配やその統括の仕事を含めていて「木工」のみに収まらない。だから「大工」となった、とみるのが有力説のようです。なるほど~。
土を使って仕事をする職人は「土工」の他に「左官」がいますよね。この左官の右に対応する右官が大工だったらしい。要するに右と左の二つだけだから、今でいうとこの設備、電気、内装、タイルなどの左官以外の仕事はぜんぶ大工の仕事だったのだ。
だから「木工」じゃなくて「大工」となった、というわけです。超納得。
仕事の役割が細分化された現在。設計や管理、電気や設備などの仕事は専門職が存在し、大工の出る幕じゃない場合がほとんどです。資格がないとそもそも生業にできなかったりもする。
ってことはさ、大工の「大」の字の存在が危ぶまれていることになるよ。こうなってくると「木工」の方が正しい。現実、最近の現場では大工担当の範疇を「木工事」と呼ぶことがほとんど。
さあ、この事実にうるさ型&頑固系の自称「大工」達はどう立ち向かうのでしょう。職人としての誇りとやらは「木工」と呼ばれることを受け入れることが出来るのか。
僕は「大工」っていう呼称に驕りと自惚れみたいなものを感じているので「木工」大歓迎です。
っていうか、僕の場合半人前なので「大工」って名乗るのも呼ばれるのも、分不相応なところがあるのよね。
本物の大工さん、僕の周りにも僅かにいらっしゃいますが、絶滅危惧職人です。