大工、右肩下がりの稼ぎ
一人親方として独立し、五年目の春を迎えました。初めのうちは一日でも仕事が空いてしまうと「なんか仕事探さないとヤバい」なんて焦っていましたが、今ではどっしりしたもんです。態度も身体も1.5倍。
職人が足りていない建築業界なので、僕のように中途半端な大工でも一通りの知識と技術があれば食べていける。人手不足の売り手市場なのに単価が上がっていかない謎はあるけどね。
帝国データバンクの業界動向調査を見てみると、「人手不足により労務費は増加」なんて書いてあるけどさ、実際の現場では変わってないんですけど・・・ハネてるの誰や!
仕事が途切れてしまった大工はみじめなもんで、家で爪を切ったり、ノミを丁寧に研いでみたり、車を洗ってみたりして過ごします。大工である父はこの状態を「遊ぶ」と言っていました。仕事が空いたことを恥じて、自虐で誤魔化す感じですな。
そんなとき、僕は片っ端から電話します。知り合いの施工管理、仲間の大工、他業種の職人、それでも仕事が見つからない場合は、取引のない業者へ新規に営業してみます。ここまでやれば仕事が見つからないってことはありません。今のところね。
だもんで、とりあえず多少売り上げが下がる月があったとしても、永年食えなくなるってことはない、と僕は踏んでいます。もうここはあまり心配しちゃあいない。
問題は体力だよ。
大工も結局は体力勝負のスピード勝負なところがかなりある。やばいよ~。40過ぎて、最近仕事中にぼ~っとすること増えてきたよ~。
請負契約の場合、早く叩けば儲かるので体力と稼ぎが直結しています。たとえば、10万円の仕事を4日かければ1日2.5万だけど、2日で終わらせれば5万になるでしょ。
このように、本質的には大工の対価って体力次第なんですよね。だから年を取れば取るほど稼ぎが右肩下がりになるだろうってことを僕は危惧しています。
どんどん減っていく体力に対抗する手段として、身体を鍛えて体力をつける。技術を磨いて仕事を早める。頭を使って段取り良くやる。などが考えられるけど・・・う~ん自信ないのよね。意識低い系大工のワシにはどれも無理っぽい。
更には、単価や利率のいい仕事を見つける。若い労働力を雇う。なんかが次に思い浮かぶ手段ですかねえ。これには新しい出会いの運も必要だし、人を雇うのはリスクだらけ。
アカン、気持ちが暗くなってきた。ってすっかり忘れてたけど、だからこそブログを始めたのでした!
みなさま、どうぞごひいきのほどよろしくお願いいたします。