「大工さん」にピンとこない
大工の一人親方として独立してこの春で五年目に入りました。早っ! 中古だけど家を買って、実家の工務店を辞めて、子供が生まれて・・・とあっという間だったなあ。
恐ろしいことに、大工としては15歳から現場にフルタイムで出入りしていたので、25年以上も前から「大工さん」だったことになる。ちょいちょい別のバイトや仕事もやったけどね。
建築現場で仕事をしていると建材や設備が配達されるので、それを受け取ることになるのだが(荻上チキのまね)。しばしば配達員の方が納品書を持って辺りをキョロキョロ。
「あれ~、え~と、あの~大工さんは?」
「え、僕ですけど・・・」
そうですか、そんなに大工に見えませんか。これがあまりにも多いので驚くよ。どうやら世間の大工に対するイメージと僕の見た目は合致しないらしく、なかなか大工と認めてもらえない。いやいや、普通に黒髪で作業着です。オーラですかね・・・。
大工になりたくてなったわけじゃないけど、さすがに独立して五年目にもなると大工としての自覚もあるはずなんです。うん。ワシは大工や大工や。
ところがだ。在宅現場などで一般のお客に「ねえねえ大工さん」なんて唐突に話しかけられると「え? 大工さん?・・・ ん? あ~俺か俺か!」ってなるのよね。誰々? って一瞬思ってしまう。
これ、よく考えると僕が工務店の次男だったことが原因なのです。
だってさ、長いこと大工やってるけど、どこに行っても「息子さん」か「弟さん」若しくは「弟くん」と呼ばれていたんですもの。年配の大工には下の名前で呼ばれてたし。
だもんで大工歴は長いけど「大工さん」と呼ばれる歴は短いのだ。
僕は大工であり、大工さんであり、おっさんである。
僕は大工であり、大工さんであり、おっさんである。
僕は大工であり、大工さんでありって、もういいぜっ!