大工、手がごつい
年に一度だけ会う友人とスナックみたいな地元のバーに行った時のこと。横並びに座った友人が何気なく僕の手を見て言いました。
「ずいぶんごっつい手してるねえ。やっぱり大工なんだねえ」
え? 全然ピンとこないんですけど。そんなにごついかな・・・。
その友人は、脱サラして料理の修行でイタリアに一年半ほど滞在。帰国後にいくつかの料理店を渡り歩いた後、昨年地元で自分のお店をオープンさせました。
彼曰く「料理人にはそんなにごつい手の人いないよ」だそうです。
ふ~んって、その場では聞き流したけどさ、冷静に考えてみるとディスにしか聞こえないんだよね。
この友人は僕がなりたくて大工になったわけではないことや、追っかけていた夢が破れた結果として大工になったことを知っているのだ。くっ!
しっかーも、親の敷いたレールにのっかった楽な道を選んだ男くらいに思ってんだワシの事を・・・その上での~、
「やっぱり大工なんだねえ」ニヤッ。
なわけですよ。やなやつだぜ!
と、この話をそっくりそのまま妻にしてみたところ。
「何言ってんの! その手は働き者の証拠なんだから、自信持ちなよ!」
・・・・・・。
姫さま~~~っ!!
しかしながら、世間的にも親の仕事を継ぐってことは楽な道、安パイな道だと思われてるきらいがある。かく言う僕自身、タレントやミュージシャン、俳優や政治家が二世だと知ってモヤつくことめっちゃある。
全然人のこと言えないわ、これ。
だけど、今日まで間違いなく楽ではなかったよ。それに、大工の仕事も決して楽ではない。
手がゴツいのは認めてもいいけど、二世だってみんな苦労してるんだよね。僕も肝に銘じます。
とりあえずあれだ、きゃつの店には行かん。