大工、病院へ行く暇がない
コロナが始まって以来、風邪一つ引かなかった僕ですが、二月に思いっきり体調を崩しました。
その日は新規の現場の着工日で、材料が届くまで現場で待っていたのですが、やたら寒い。普段、マンションの現場はコンクリート躯体に覆われているので、真冬でもそこまで寒くないのですが、とにかく寒い。ぶるぶる。
やば、風邪ひいたかも・・・と思ったら、鼻水と痰がどうだどうだと言わんばかりにバンバン出てくる。
これはまずい、というよりも寒すぎてこれ以上ぼーっと材料なんて待ってらんねえ。
ってことで、慌てて家に帰って15時には布団に入って寝ちゃいました。
今思えば、この時に病院へ直行するのが最適解だったのでしょう。
次の日の朝、若干身体が重たい気がするけど、熱はない。ならばこちとら工期に追われる身。休むわけにはいきませんよ、ってことで普通に出動。
すると、やっぱり止めどなく湧いてくる鼻水と痰。現場について、仕事をしても終始鼻と喉がその調子だから、つらいのなんのっても~。でもやっぱり休むわけにはいかないっていう意識が勝る。
マンションリノベの現場は綿密に工程が組まれています。たとえば着工から10日後にユニットバス施工、20日後にキッチン施工、25日後に塗装工事、みたいな感じで大工工事の進捗に合わせてあるんですね。
だもんで、大工の僕が遅れちゃうとみんなの予定が狂う恐れがあるんです。
休めて一日、無理して二日。三日以上現場を空けたら間違いなく一人では間に合わなくなる。僕は万年ロンリーウルフなので、助けを求める大工仲間もいない。
ちなみに、出勤退勤時はもちろん、仕事中も大工の僕は誰にも会わないので、仮にコロナに罹患していても家族以外には感染しないだろうなっていう気持ちもありました。
体調を崩して6日目の土曜日、現場に着くと管理人さんから驚きの一言が・・・。
「このマンション土曜日は工事ダメだよ」
え?
ってことで、急遽病院へ行くチャンスが生まれたので行ってみると、先生から驚きの一言が・・・。
「あんたコロナだったかもよ! 発症から6日も経ってたら検査しても出ないのよ!」
え?
ごめんなさい。
職人仲間のみんな、体調悪いときは病院にすぐ行こう。命より大事な現場なんてないからね。