トイレがないっ!!
マンションの現場で仕事をしていると、後からやってくる職人達に必ず聞かれることがあります。大工は他業種の職人よりも現場に入る期間が長いので、先住の大工に聞けばわかるだろうって気持ちはわかるけどね。
「大工さん、トイレどうしてるんですか?」
もう聞かないでくれ! むしろこっちが聞きたいよ。どうするよ!?
元請け業者や現場管理人によって違いはありますが、マンションのリノベーション工事の現場に基本的にトイレはない。スケルトン(コンクリ躯体むき出しの状態)にする最初の解体工事の際に既存のトイレは便器を始め、天井も床も壁も無い状態になります。そこに残るのは排水口のみ。無機質なコンクリから飛び出す塩ビ管のみ。
良心的な業者さん(ここはさん付け)は便器と床は残しておいて工事終盤に取り外し、なんてことにしてくれる。これ本当に助かります。人間だもの。
ところが、ほとんどの現場が前述の状態になっています。だから近所に公衆トイレがあったり、稀ですがマンション内に共用のトイレが設置されていることもあるのでそれらをお借りするわけですが。
が。
ないんです。ほとんどない。そこで大多数の職人は仕方なく近所のコンビニへ借りにいきます。それが僕は苦手なんです。どうもコンビニでトイレを借りるのは忍びない。恥ずかしいような申し訳ないような。だから他をあたる。
パチンコ店やホームセンターはナイスです。他の客に紛れる感が出て落ち着きます。病院はやや微妙、患者さん優先ですし。だけどお借りしたことあります。警察署は意外にも借りやすい、市民のために快く使わせて下さいます。
でもね。正直な話。本当はペットボトルです。
ん?
いや、だからペットボトルです。
全ペットボトル放尿同士のために僕が代表して言いましょう。
こっちだって好んでペットボトルになんてしないよ!
工期に追われて、予算に苦しみ、走って叩かないと現場が終わらない。トイレを探しに行く時間も惜しいんですよ。なあみんな。そうだよな。
小はペットボトルに仕込んで排水口へ流す。そして、臭い防止のために水を流す。これが一般的な職人の作法です。
だからもう聞かないでよ。知ってるくせに。
「いやいや大工さん。でっかい方」
あ、そっちはコンビニでも行ってください。