大八ですけど喰えてます。

大工になりたくなかった大工のブログ。階段作れない、和室作れない、大八ですけど喰えてます。

はじめに

優し顔はじめに

 

 僕の実家は工務店です。一般的な子供が父親のことをなんの迷いもなく尊敬して育つように、幼いころには僕も大工の父を尊敬しながら育ちました。

 

 そして、ごく一般的に反抗期がきて、やや一般的ではない思春期の真っ只中に父親のことが嫌いになり、大工を忌み嫌うようになりました。

 

 20代に入ると、所謂中二病を拗らせてしまい、たくさんの人に迷惑をかけながらバンド活動に勤しんで、挫折し、心の病になったりしながら30代に入り、一周まわって結局建築業界で大工になりました。

 

 大工になれたのは十代の頃から父親に誘われるまま、夏休みや春休みに建築現場に出入りしてアルバイトがてら仕事を手伝ったり、20代にどんな仕事をやっても続かない僕に見るに見かねた父と兄が仕事に連れ出してくれたおかげです。

 

 嫌々やり続けた大工の仕事ですが、今では父との関係も円満になり、僕も結婚をして、35年ローンですが家も買いました。

 

 そして、今では大好きなゲームを趣味にする傍ら、大工として独立して、なんやかんやとあるけれど、喰えてます。

 

 そんな僕ですが、よく年配の大工さんや、バリバリと仕事を前向きにされてる職人さんから言われることがたまにあるんです。

 

「そんじゃあまだまだ大八だ」

「大八さんなんですね」

 

 「大八」というのは大工になりきれていない半人前という意味で、要するに蔑称です。つまり大工を、第九と書き換えてダイクと読み、九に達していない八ということで「大八」と古典落語よろしく小粋なつもりで呼んでくれてるわけです。

 

 たしかに僕は大工工事を生業としていますが階段はつくれません。和室もつくれません。建築士でもありません。だけどどっこい仕事はいただけているんです。

 

 大八ですけど喰えてます。そんな僕の半人前大工ライフを少しづつお話ししていこうかと思います。まあ、半分以上は愚痴になっちゃうと思うけどね。

 

 ではでは!