大八ですけど喰えてます。

大工になりたくなかった大工のブログ。階段作れない、和室作れない、大八ですけど喰えてます。

職人にボーナスはない?

ほよよ職人にボーナスはない?

 

 職人界という異世界では「怪我と弁当は自分持ち」という言葉があって、僕も昔から親父にドヤ顔で言いつけられて育ちました。

 

 かっこいいとでも思ってるのか、この言葉の裏には旧世代の職人観があるのは明白です。言いたくもないけど、怪我をするのはてめえが半人前だからだ、と無慈悲に突き放す言葉です。

 

 これが、徒弟制度みたいなふるくさ~い職人の教育制度の下で汗と涙とパワハラ成分を含んで醸成されて、現在でも職人界ではぷ~んと臭いを放ちつつ使われているから驚くよ。

 

 僕の親父世代、現在60代70代くらいの大工(現役で沢山いらっしゃいます)はこうした教育制度の下で育てられたド真ん中世代。当時の話を伺うと喜んで苦労話をしてくださいます。

 

 給料は月5,000円だった。誰よりも早起きして親方家族の朝食を用意していた。与えられた寝床は台所で冬は死ぬほど寒かった。休憩時間やお昼休みは先輩職人の道具の手入れをしていた。などなど、出てくる出てくるパワー昔話。

 

 聞いてるこっちは抵抗不能。ただただマウントをとられるのをじっと堪えるしかすべのないパワー昔話。40過ぎた自分も気を付けないとやりかねん。

 

 んで、本題入ります。こういった職人のパワー昔話の端っこでちょこちょこ聞くのが「正月にもらうモチ代が嬉しくってな~」というものです。

 

 モチ代。正月にお餅でも食べなさいってことなのか、鏡餅をちゃんと飾りなさいってことなのか、ググりたくもないモチ代。現在でも建設業界や職人界では平然と存在します。

 

 要するにボーナスってほどでもないけど、いつもの給金に正月くらいは色をつけてやろうっていう程度のねぎらいです。おまけって感じ。二万~五万円が相場だと思います。

 

 これが通常、職人界のボーナスなんです。だもんで、会社勤めのサラリーマンが冬のボーナスだ夏のボーナスだと話していたり、ニュースで今年の冬のボーナスは平均78万円でした~とか言ってるのは別世界の話。

 

 働いた分以外に給料の一月分や二月分のお金がドーンと貰えるなんて、職人からしたら夢のような話です。

 

 ごく少数だとは思いますが、ひょっとしたら工務店勤めの大工、設備・電気・塗装など他業種の職人はこういった賞与をもらってる可能性もあるけど、僕は見たことも聞いたこともない。

 

 モチ代くらいが職人のボーナスってのが職人界の共通認識。

 

 だけど、僕はそれだけじゃないと思ってるのよね。正直これこそ職人がもらってる最大のボーナス。

 

 ずばり時間です。もらうというより稼ぐの方が正しい。職人は頑張れば頑張っただけ時間を稼ぐことが可能です。

 

 会社勤めの人より「行ってきます」から「ただいま」までの時間が圧倒的に短い。僕の場合大体毎朝6時半~7時の間に家を出て、遅くても19時には既に自宅で風呂に入ってます。

 

 通勤時間を含めても12時間以上になることはあまりない。年間で三日あるかないかだと思う。

 

 このボーナスがあるからこんな戯れ言を書くこともできるわけですし、資格勉強なんかもできちゃう。

 

 今回は職人だっていい面もあるんだよって話しでした。

 

 え? だけど職人は土曜日も働いてるから結局チャラですって?

 

 それにボーナスは稼ぐものじゃなくてもらうものですって?

 

 ・・・。

 

 DA~YO~~NE~~~!!!

 

DAYONE

 

 

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