大八ですけど喰えてます。

大工になりたくなかった大工のブログ。階段作れない、和室作れない、大八ですけど喰えてます。

大工、OYAKATAと呼べ!

ド大工、OYAKATAと呼べ!

 

 親がゴリゴリの大工だった僕は、幼い頃から親戚の集まりなどで「○○は大きくなったら大工になるんだよな」「大人になったらお父さんと一緒に大工さんね」などと言われ続けて育ちました。

 

 それに対して元気よく「うん!」と応えると、父が顔をくしゃくしゃにして喜ぶので、子供ながらに大人達の気持ちや場の空気に配慮しつつサービスのつもりで返事をしていましたよ。ええ。

 

 それから中学生になると、夏休みや冬休みなどの連休には父に連れ出されるわけです。どこって現場です。はい。

 

 「一日5千円やる」と言って、父は問答無用で僕を新築現場に連れて行きました。前日の夜なんかは、すんげー嫌でなかなか眠れないのよね。

 

 こっちは『トゥナイト2』とか深夜番組が観たいのに「明日は早いから早く寝ろ」なんて怒鳴ってくる父。だもんで、緊張して余計に眠れなくなる。

 

 んでね、当日の朝、眠い目を擦りながら母に父と同じ弁当と水筒とタオルを持たされて、父のトラックに乗り込むわけです。

 

 トラックはホコリとタバコとおっさんと合成皮革の混ざった匂いがして、いかにも職人の世界だって雰囲気がその匂いからもビンビン伝わってくるのよね。父と二人きりの一日が始まる緊張感も高まる高まる。

 

 すると、口下手で口数の少ないバキバキ職人気質の父が、のっけから語気荒めでこんなことを言うんです。

 

 「現場では親方って呼べ!」

 

 「え?」

 

 「仕事では親方って呼べ!!」

 

 は?

 

 はああぁぁぁaaaa~~~~~~~???

 

 昨日まで、というかさっきまで「お父さん」と呼んでいた父に突然こんなことを言われて、ただただフリーズ。この人は何を言っているんだ・・・と、硬直する中学生の僕。

 

 今思えば、この瞬間から僕は父が嫌いになり始めたし、大工が嫌いになり始めたんだと思う。気になる女子と発売前夜のプレステのことしか頭になかった若葉の頃のおもひで。

 

 結局、現場でも父のことを「オヤカタ」なんて呼べるわけもなく、「お父さん」とも呼べなくなってしまい、僕は30歳を過ぎて外で働くようになるまで、ずっと父を「ねえ」とか「ちょっと」というように呼んでいました。

 

 親がまともに呼べなくなるって、不便だし、悲しいですよ。そんな風に呼ばせなくても愛情さえあれば自然と子は親を敬うものなのにね。

 

 

けじめ

 

 

↓ ↓ ↓ ↓ こちらもクリックして頂けると励みになります。

にほんブログ村 住まいブログ 大工・職人へ

 

 

daihachi.mojamon.com

 

daihachi.mojamon.com

 

daihachi.mojamon.com

 

daihachi.mojamon.com

 

daihachi.mojamon.com