大工、小指がない!
どんな業界にも、ユーモアがない人や愛情がない人はいると思うのですが、大工には小指がない人が一定数います。こっち真顔です。
僕の実家の工務店には四人の大工さんが常駐していました。驚くことに、その内二人が小指なし大工だったのだ。データとして少ないけど、印象としては多い。
今まで、多くの大工に出会ってきましたが、ちょこちょこ指の先がない大工さんにお会いしました。
沢山の誤解を招いていること請け合いなので弁明します。
最近はめっきり減ったのですが、工務店は自社の作業場において、木材を加工する作業をします。簡単に言うと、材木を割いたり、切ったり、削ったり、彫ったりして整える作業。
んでね、この時に使う専門の機械がむちゃくちゃ危険なんです。もちろん現在では各機械メーカーが安全性の向上に努めていらっしゃることと思いますが、ってことは一応書いておこう。
この木材加工機械には割く専門、削る専門、彫る専門なんかがあって、中でも割く専門の昇降盤。この機械に大工の指先が奪われているのだ。
昇降盤は、海面からサメの背びれが出るように、テーブルから丸いノコギリの刃が飛び出している様をイメージしてください。この飛び出した刃がギュイーンと高速回転。そこへ木材を押し当てて割くっていう代物です。
このテーブルから飛び出す刃の高さを上げたり下げたりして、調整できるので昇降盤というわけ。
どう考えても安全だとは言えないよね。だもんで、加工作業をしょっちゅうしていた頃の大工は小指を持っていかれてたってわけなのです。
やんちゃした結果、組事務所に連れていかれて・・・ではないので誤解なきよう。
現在でも毎日のように加工場で製材している大工さんはいらっしゃいます。日々、こうした危険と隣り合わせで日本の住宅を守っている大工さんに感謝したいものですね。
かくいう僕も大工です、ありがとうございます。
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