二段梯子もおっかない
建前での恐怖は前回お話しした通りですが、二段梯子(にだんばしご)による作業もおっかない。大工の作業でも危険度Maxレベルです。
工務店を経営していると風の強い日の後日「屋根の上でバタバタ音がする」「屋根の一部がはずれて落ちた」といったお悩み電話がかかってきます。
また、大雨や大雪の後には「雨どいがひん曲がった」「雨どいから水が漏れる」「屋根から雨漏りしている」などのお悩み相談を受けます。ちなみに雨漏りの原因が屋根そのものにあることは稀有。軒裏とか笠木とか下屋の壁との取り合い部分や窓周りを要チェックや!
さてさて、これらは全て高い所のお悩みですね。
これらの患部をチェックをするためにわざわざ足場屋に足場をかけてもらって~なんてお金がかかるので当然却下。そこで二段梯子の出番と相成るわけで御座います。
二段梯子は本当に事故が多い。扱う職人側には慣れと勇気が必要。ハシゴのメーカーは二人で作業するか、ロープなどで控えをとるなどして安全対策を行うようにと警告しています。
僕も本当にやばいと思う場所に二段梯子を掛ける際はしっかりロープで固定していますが、普段はついね・・・。すいません。
ずるずる~!っと登りきる手前で立てかけた二段梯子が横にスライドしてしまう瞬間、時が止まって血の気だけが引くのがハッキリわかる。もう声なんて出ないのよ! こわーてこわーて。
喜劇の王様チャップリンが大きな脚立をつかった短編を撮っていたり、バスターキートンの映画では登った長いハシゴが倒れても平然としているギャグがあったり、ジャッキーチェンの初期の映画なんてハシゴ関連のシーンがお約束だったりね。
ハシゴは危険っていう共通認識があるから簡易的にサスペンスが生まれてドラマになっちゃう。あらゆる娯楽作品でハシゴを利用したシーンを見かけます。
だけど職人にドラマは全く必要なしの関係なし。ハシゴが倒れたら怪我するだけで笑えないし、下手したらいきなりジ・エンドで、エンドロールも余韻もないよ。
二段梯子を使った作業には本当に気を付けましょう。
まあ僕は一人親方として独立してから二段梯子なんて使う機会ないんだけどね。
そもそも持ってないっす。