大工、ザクとは違うのだよ
産廃屋に就職して、三ヵ月は試用期間でした。仕事内容は産業廃棄物の選別。要するに一般家庭でゴミを仕分けて捨てるのと同じように、産業廃棄物も品目ごとに仕分けて捨てるわけです。
ダンプやトラックが現場から積んできた産廃を工場内にドカーンと降ろす、その産廃に作業員が角砂糖にたかるアリの様に四方八方から取り囲んで、ゴミを分けていく。仕分けきれないほどのカスばかりになったらローダーがヤードに押し込む。
8時から18時までこれの繰り返し・・・。
こうやって書くと超単純なんだけど、ゴミの種類が業者ごとに千差万別なので、仕分け方も千差万別なんです。ま~大変ったらありゃしないのよ。ハード中のハード。
僕はそれまでに足場屋も大工も経験していましたが、この産廃屋の仕分け作業員が断トツにハードでした。一日中泥やヘドロやチリやホコリにまみれるし、腰は痛いし、おっさん達の怒号は飛び交うし、とにかくしんどい。三ヵ月でめちゃくちゃ痩せたよ。
それでも、甘ちゃん鬱太郎だった僕がなぜ耐えることができたのか・・・。
それはハナからこの仕分け作業員でいるつもりはなかったから。
どういうことかというと、どんな会社でも事務や営業や経理がいて、作業員とは別にデスクワーカーがいるじゃないですか。僕は最初からそれになるつもりで産廃屋を選んだんです。
要するにスーツを着て仕事がしたかった。
だけど、求人で募集していたのは『仕分け作業員』、だからもちろん仕分け作業員としてスタートしたんです。
が、
僕は、この仕分け作業員として働く、最初の試用期間三ヵ月でとある働きかけを会社にしました。その働きかけが功を奏して試用期間終了と同時に晴れて事務所に登用してもらい、営業職としてスーツを着ることができたんです。
何をしたかと言うと、会社役員に「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」ってことを試用期間中に感じたことをまとめたレポート片手に直談判しました。
それだけですが、そんなこと他の人は絶対にしないだろうと思っていたので、イケる自信があったんです。
なんちゅーナルシストなんや!!
今だったら絶対やらない。よく、こんなめんどくさそうな新入社員を登用してくれたよね。
当時、上申したレポートがPCに残ってたので、チラッと見てみたらバキバキに長文でマジキモかったYO! いや~ん♡
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