大八ですけど喰えてます。

大工になりたくなかった大工のブログ。階段作れない、和室作れない、大八ですけど喰えてます。

大工、華の解体班時代

ビックリ大工、華の解体班時代

 

 初仕事に成功した内装解体班はその後、戸建ての在来風呂の解体、ブロック塀の解体、バルコニーやウッドデッキの解体、マンションのスケルトン解体などをどんどんとこなし、ハコちゃんとセリさんのレベルもめきめきアップ。

 

 ついには僕が現場に行かなくとも仕事を納めて帰ってきてくれるまでに。みんなすごいよ! 最初は丸ノコすら使えなかったのにYO!

 

 そんな中、一人の志願者が登場。自分を解体班に入れてくれ、と会社に直談判し、僕とハコちゃん率いる解体班に参加させてほしいと言って来たんです。

 

 あら~まじかい。これで更に仕事の幅が増えるわ~、と僕もハコちゃんもセリさんも歓迎。

 

 彼の名はグッチ君。グッチ君は少しだけ建物解体の経験があって、産廃の仕分け作業よりも解体の方が面白いだろうと思って参戦してきたのでした。うんうんよかよか。

 

 湘南乃風が大好きなグッチ君は現場で頭に巻くタオルが正にソレのアレでした。いやそれ、前見づらくないんかいっ!

 

 とはいえ四人体制になった内装解体班。社員約70名の会社で通常の工場作業員は50名ほど、僕ら4人だけが完全に別枠の子会社みたいな動きになったんですわコレ。

 

 朝早くに集合して、道具を準備して、みんなで現場へ行き、みんなでお昼を食べて、みんなで現場を叩いて、漏水だの騒音だのホコリだのと、日々いろんなトラブルにみんなで対処して・・・ってやってると。

 

 チーム一丸。全員野球。全員家族。全員集合!! 

 

 僕はこの時、33歳。一生このメンバーで、この仕事をつづけて食べていけるのなら、もうそれで構わないな、ってリアルマジに感じるようになっていました。マジカルマジで・・・いや意味わからんけど。

 

 思えば、夢見がちな僕の人生でそんなことって初めてだったなあ・・・。

 

 僕の退社後、班は僕の後輩の営業にアタマを引き継いで継続されるのですが、結局尻つぼみになって瓦解。残念ながら会社に内装解体班は残っていません。 

 

 その後、班長だったハコちゃんは内装解体で独立し、一人親方として解体の仕事をこなす立派な職人に。グッチ君は内装解体で工務店に引き抜かれ、今ではその工務店の解体班のリーダー。セリさんは持ち前の器用さで別の産廃屋で現場主任に。

 

 みんな、この内装解体班時代の経験を生かして、現在食べているんです。あたしゃ~ほんと~に感慨深いよ。嫌々だった職人二世の経験がこんな風に人様に影響を与えたのですから。オホホホホ。

 

グッチ君

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