大工、カウンセリングを受ける
大学院に入って、間もなく体調に変化が出てきたんです。その頃は実家暮らしでも家族とほとんど顔も合わせず、会話もしなかったし、仕事は相変わらず足場屋に出向状態でした。
二十代の血潮はすべてバンド活動に注いでいたのに、ドラマーが抜けてユニットになって、打ち込みの音楽を作るようになると超インドア活動に変化。ライブハウスに出ることも止めて、どんどん限界が見えてきたのよね。
そんなある日、自宅で窓の外を見ると雨が降っていました。でね、その雨を見ていたら、涙がボロボロ出てきた。すんげ~イタイ奴なんだけど、マジです。
最近、つらいとは感じていたけど、これはヤバい。
と、この時に自分は鬱病なのでは、と意識しました。毎日、目が覚めると息苦しくて、身体がだるい。何をやっても意欲が出ない。ただひたすらに寝ていたい。
ていうか、生きてるのがしんどい。
で、どういう経緯だったか忘れたけど、最初は病院ではなく、カウンセリングを受けてみたんです。なんとなく病院が恐かったことは確か。
横浜駅最寄りのカウンセリングルームに行くと、待合室にサラリーマンが居たのを覚えてます。おじさん。
日の当たる個室に通されると、観葉植物の横に若い女性のカウンセラーが鎮座。「今日は~、どうされましたか~?」と、山口もえを誇張したようなスローモーな話し方。
んで、お姉さんに自分のことを語りだすと、涙が、だ~~~~~。
自分のこれまでの経緯を話すと、同時に涙がボロボロボロボロ出てくる出てくる。
カウンセラーのお姉さん、無言でうなずくだけ。
すると、そのお姉さんが忘れもしない一言を。
「今日~、ここへきて~、お悩みが~、解決すると~、思いましたかあ~?」
え?
えええEEEeeeeee~~~~~~???
そのためにやってる商売じゃないの? と思いましたが、お姉さんは聞くオンリーらしく、どうすることもできないと一蹴。
カウンセリングって悩み相談ではなく、悩みを聞いてくれるだけなんですね。ただただ聞いてくれるだけ。リッスンお姉さん。
んで、そのリッスンお姉さんに病院へ行くことを勧められたわけです。
今、考えてもあれに通う人って何なのって感じ。個室と綺麗なお姉さんって要素。それに時間制限あるのに超スローモーなしゃべり方。見かけたのはおじさんの客。
むむう・・・。
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