大工、首都高速は恐い
「首都高速を走るのは恐い」とラジオでとある女性タレントが話していました。これ、職人でもたまに話している人います。車の話ね。
道路の幅が狭くて、くねくね蛇の道のようで、気を張っていないと自分の行先への分岐点を見落としてしまったり、その上交通量がブンブンと多いこと。
事故りそう・・・と、道間違えそう・・・のガクブルコンボで確かに怖いよね。共感できます。
ちなみに首都高のあの狭さとくねくねの原因は、1964年の東京オリンピックに向けて高速道路を整備する際に、土地買収の手間が省ける河川に沿って道路を作ったのが原因らしいです。なるほど〜! だから一ノ橋、浜崎橋、京橋、江戸橋って具合に橋だらけだったんですね。 超納得。
横浜市在住で都内の業者と仕事をしてる僕は、ほぼ毎日そんな首都高速を使って現場に向かいます。そして首都高速を使って家に帰る。となると人間慣れちゃうもんで、首都高速の景色なんかを楽しみながら運転する余裕も出てきまして、え〜ま〜(ポリポリ)。
唐突ですが僕の父はガチガチの職人気質で僕と5つ年上の兄が大工になること以外は認めませんでした。僕と兄が他のことをやっても応援はもちろん興味もなし、そのくせ連休や長期の休みには「手伝え!」と言って現場に駆り出すので自然と大工の技術が身に付き、僕と兄は結局大工になりました。
そのせいかしら、なんかビル街にむちゃくちゃ憧れがあるんですよね。
首都高速5号池袋線とか日銀の前とかを走ってるとそびえ立つビル、ビル、ビル! 特に夜のビルの窓の明かりね! あれが本当に好き。大工くらいしか仕事を知らない僕からしたら、もうあれってファンタジーです。決して終わることのない憧れです。
あの光の中では大工が一ミリも関わることのない世界が広がっているのか・・・。
ちなみに、我が家では三年に亘って夕飯のときにアニメ『美味しんぼ』を観ています。僕も妻も全話覚えてしまったし、二歳の娘は妻のお腹の中にいるときから聴いているOP曲の『Dang Dang 気になる』を「だっだっちになる~♪」と一緒に唄うほど。
あのOPに出てくるネオンのビル街、栗田さんが山岡さんに想いを馳せて(いるように見える)散策しているあの東京のビル街。それが観たくて毎晩観てしまうんだよね~。
これ大工の職業病です。